16社が交流。上司も参加して自社変革

新年、おめでとうございます。
「他社から学んで自社に変革を」。このようなコンセプトで交流研修を始めてことしは28年目に入ります。この間、討議テーマや討議内容も大きく変わってきました。時代社会が問う課題を受けてのことであることは言うまでもありませんが、わずかここ1、2年の研修内容にもいままでない大きな変質がうかがえます。


それがIoTに表象されるIndustry4.0という、かつて産業界が経験したことのない大きな地殻変動を感知しての課題意識であることは容易に考えられます。たとえば、先月開かれた中堅社員交流研修をご紹介しましょう。「変革型リーダーシップ」を掲げた中堅社員交流研修には、16社から26人のご参加により熱い討議が交わされました。16社の業種はさまざま、26人の担当する仕事内容も1つとして同じものは無い、正に異業種異職種での交流研修でしたが掘り下げていくと、課題意識が1つに収れんされていくことが分かりました。

それは「あまりにも分断された仕事の現場」という現状認識です。「分断」している主因として次の3項目が挙げられました。◇多忙さという時「刻」意識(時間や期間よりもさらに細分化)◇分業による部門主義の壁◇デジタル情報化がもたらした非接触コミュニケーション。こうした現状認識をもとに討議を進めていったところ、参加者が抱いたのが「このままで、変化に対応できるのだろうか」という強い危機感でした。

やがて、参加者が導き出したのが「仕事の第一線に立つ中堅層こそ、変革を呼びかける主体となるべき」でした。実行へのプロセスでは、具体的にどう実行するか、明日からどんなことに取組むかのMyテーマ化に向います。さらに研修後にはメーリングリストを活用したフォローアップへと引き継がれ、それぞれの上司が「間接参加」してMyテーマにアドバイスするという方法を採っています。すでにメールのやりとりが盛んに行なわれていますが、その一部をご紹介すると「君のMyテーマはぜひ実行してほしい。部門間連携すべきところには、管理者同士で
支援する」といった力強いアピールが表明されています。ここにも、いま直面している未曾有の変革に対して「研修を研修のままで終らせない」意気込みをうかがうことができます。