日々の改善・改良も「攻め≒挑戦」と捉える ~2月開催「中堅社員交流研修」

今回の研修でも多くの受講者が組織としての新たな挑戦の必要性を認識しているものの、実際には挑戦することによるリスクに怯えて「保守的」「安定重視」となっており、新たな挑戦への取り組みが出来ていないという状況が共有されていました。 
組織はその規模が大きくなるにつれ、既存事業に応じて組織構造を最適化させ「守り」を固めるようになり、メンバーの行動や判断もまた前例や慣行を拠り所にして硬直化していくものです。更には、役割分担の固定化、思考・行動様式の定型化、限定されたコミュニケーションといった状況をもたらし、変化や挑戦を避けて現状を維持しようとする意識が根付くようになります(=組織の老化現象)。ファシリテーターからもそのような「守り」の姿勢がやがて「待ち」の姿勢を生み出し、やらない理由付けとなってしまうリスクをお伝えしました。一方で、この文脈における「攻め≒挑戦」は既存技術や組織構造の破壊、新市場創出とったイノベーションをイメージしがちですが、あるグループでは、日々の当たり前となっている業務プロセスの改善・改良と、単位組織に根付くこれまでの習慣や暗黙のルールといった職場風土の見直しもまた「挑戦」であると定義しました。「挑戦」と言うとややもするとハードルの高いものに捉えがちですが、無自覚に行う通常業務のプロセスに疑問を持ち「攻め≒挑戦」の意識で改善・改良して磨きをかけていくという視点は特筆に値します。イノベーションの類型でも日々の地道な業務プロセスの改善もイノベーションのひとつであるとし、この「通常的革新」こそが企業の競争力の源泉となり得るとしていますが、地に足の着いた議論は他グループからも高い評価を得ていました。