異業種交流にみる「違い」と「同じ」

異業種間での交流成果には2つの要件が必要とされます。当然ですが異業種による「違い」は発想転換を約束してくれます。先月開かれたR&Dマネジメント交流研修では11社から18人のご参加のもと「新しい価値創造にどう取組むか」にチャレンジしていただきました。そのほとんどの参加者が「違いがもたらす効果」を口にしていました。たとえば製薬会社からの参加者は「電機・機械メーカーとの接点はいままで皆無だった。初めて触れたことで得た新たな気づきは多い」との感想がその例です。

交流成果には、もう1つの要件である「同じ」も欠かせません。
職位職層が同じであることから得られる共感性、似たような課題意識で響きあう共鳴性、問題を深堀り討議するにしたがって得られる行動課題レベルでの共振性・・・


今回のR&Dマネジメント交流研修では、これらとは別に「能力面での等質性」が見られました。
問題意識の高さ、課題対応へのモティベーションの高さ、他に学ぼうとする謙虚さを持った双方向性コミュニケーション能力での「同じ」が特徴でした。こうした等質性は「新しい価値創造にどう取組むか」のような高難度のテーマにとりわけ有効だったように思います。

その実感を、参加者はつぎのように感想のアンケートに書いてくださいました。IT電機系企業の参加者は「価値創造の基本は人であるという当り前のことが改めて分かった。ここでいう人材とは、見えない価値である暗黙知を引き出す能力を持った人を指す」。また機械系企業の参加者は「難しい課題であったが、研修が進むにつれて18人全員に一体感が生まれてきた。難問対応で得られた一体感の重要性。こうした経験は初めてだ」。