Industry4.0時代の人財開発

新年、おめでとうございます。

新次元での産業革命が到来している。こう言われるほどの地殻変動が、われわれの生活や仕事のしかたに変革を迫っています。それを表象する言葉がIoTやIndustry4.0・・・当社の交流研修でも、これへの対応事例が少しずつ紹介されるようになりました。まだ端緒の感は否めませんが、これに本格的な四つ相撲をいどまざるを得ないのが今年といえそうです。
たとえば「これからの組織のありかたはどうあるべきか?」「望ましいマネジメントスタイルとは?」「今までの仕事のしくみに”こわし”をどう入れるか」そして、何よりも「われわれに求められる、これからの能力要件や役割意識とは?」
こうしたなかで、昨年はいくつかの注目に値する取組みに参画することができました。その1つは、ある企業がコア人材におこなった「ヨコ展開でのCFT研修」です。商品価値を高めるために、それぞれの部署を超えてクロスファンクショナルな横断型研修を実施しましたが、そこでは、上記を考えるヒントを数多く見いだすことができました。日ごろの多忙さにかまけて、珠玉のような知見が各部署に埋もれていることに気づいていないのが実相というものでしょうが、このことは企業にとって大きな損出ではないか、と思わされました。
もう1つのは、ある企業が「自己実現」を主題に掲げて実施した研修事例です。この世知辛い時勢に学生時代の匂いのする「自己実現」を掲げたことそのものに敬意を表しますが、グループ討議された内容は濃いだけでなく、上記を考える本質に迫ったものでした。いわく「社会の豊さのために自分たちは、何ができるか」「プロフェッショナル集団として持つべき情熱とは」などなど。                  
年が明けて、開いたビジネス紙・誌の新年号がさかんに喧伝しているように、Industry4.0への対応やビッグデータ活用が声高に問われるであろう、2016年・・・・上記の2社の取組みは、もう一度、足もとに視線を向けて「組織力とは」「人間としての仕事」のありかたを考える。このことへの貴重な示唆を与えてくれたように思いました。