窮状のブレークスルーに「新日本的経営」を

六重苦という言葉が表すように日本企業にのしかかる課題は重いものがあります。交流研修でも若手社員からミドルクラスまで「現状を何とかしなければ」の切迫感が漂うグループ討議が見受けられます。こうしたなかで「日本的な経営の良さを見直しそう。良いところはさらに強化。足らないところは補強しよう」という新しい日本経営のありかたが熱を帯びました。討議したのは、このほど開かれたミドルクラス交流研修です。

この討議のなかで話題が集中したのが「日本企業はチームワーク力が高いといわれるが、本当にそうだろうか」という疑問でした。募る多忙さ、メールに代表される間接会話・・・部下と面と向かってじっくりコミュニケーションをとる時間が激減している。「果たしてこれでいいのだろうか」という反省の声がしきりでした。

では、どうするか。ここに「新しい日本的経営」への取組みにつながるグループ討議が行われました。要点をご紹介すると次のような内容です。◇職場での上司・部下との関係に新しい要件を入れる。それは「お互いに学びあう関係」だ。◇あまりにも仕事に限定した人間関係に陥っていないか。ちょっとした雑談でも、趣味など仕事以外の会話は相互理解を深める。それによって若手が意識の奥に持っている”マグマ”が誘発されるはずだ◇ミドルがもっと触媒役を意識した行動をとるべきだ。日本企業の良さといわれる”ミドルアップ・ダウン”の機能が低下している。もっと上下に対して提案力を発揮すべきだ。