異業種との交流を隠喩にして学ぶ~多様な意見から生まれる偶然の産物

7月の中堅社員交流研修はオンライン開催として実施致しました。様々な各社の現場レベルでの取り組みが紹介されましたが、某社様での「会議に他部署のメンバーを招聘したり、自分から積極的に他部署の会議に参加することが推奨されている」という事例は、他の参加者も関心を持って聞いていました。その目的は、ややもすると部門(部署)最適に陥りがちな思考を壊し、偶然の産物(セレンディピティ)を期待している、とのことでしたが、言い換えれば、組織における認知的多様性や、イントラパーソナルダイバーシティ(個人の中にある多様性)の実現に寄与することを意図した活動のように推察します。「多様性」というワードそのものは参加者の発言の中にはありませんでしたが、組織や個人に視点や考え方の違い(豊かな多様性)があることで新価値創造を可能にし、ひいては組織が持続的に発展していくために欠かせないという発言が議論の中であったことは特筆に値します。そしてまさにこの異業種交流での討議を隠喩として受け止め、多様な知を組織に取り込むには、このような様々なバックグラウンドを持つメンバー同士が健全な対立をする議論の場が必要である、という主旨の発言があったことは大変頼もしく感じた次第です。