「やり抜く力」を日々の仕事を通じて磨く ~11月開催若手社員交流研修

当研修では、企画実習を通じてお互いを観察する(見立てる)際のディメンジョンとして「次世代リーダーに期待される8つの役割意識と能力要素」を提示しています。そのひとつとして「覚悟を決める(決意する)」という項目を設定していますが、その内容は「掲げた目標達成や周囲からの期待に応えるために「自分がやり抜く」という責任を持つ。困難な状況におかれてもやり遂げる強い信念や高い志を持つ」という趣旨になります。今回の研修ではこの「自分がやり抜く」という強い自覚と動機を持ったある受講者が強く印象に残りました。基礎研究に携わるその受講者からは「将来の事業の芽となる息の長い基礎研究領域では短期的な成果やそれによる達成感が得られにくく、モチベーションの維持が難しい。それでも、計画のマイルストーンの達成が自らのアウトプットであると自覚し、日々の小さなアウトプットの積み重ねが自らを鼓舞する原動力となっている。いかなる状況であっても最後までやりきる、成果に結びつけるためのグリット力が必要だと考えている」という趣旨の発言がありました。グリット力という単語はその発言の文脈から、心理学者のアンジェラ・リー・ダックワース氏が提唱する「GRIT」理論を指していると推測します。「やり抜く力」あるいは「粘る力」と定義されるGRITはGuts(度胸:困難なことに立ち向かう)、Resilience(復元力:失敗しても諦めずに続ける)、Initiative(自発性:自分で目標を見据える)、Tenacity(執念:最後までやり遂げる)の4要素で構成されますが、いずれも生まれ持った資質ではなく、意識し行動することで獲得しうるとされています。このGRITに共感し、日々の仕事を通じて粘り強く継続して自らを磨き、動機付けようとする姿勢は、他メンバーにとっても大いに刺激になったものと考えます。