先月のミドル職層の交流研修では、珍しい状況が生まれました。同一テーマに絞って、すべてのグループが討議に没頭したことです。選ばれたのが「自立型集団への脱皮をどう図るか」。いつも選択される「新価値創造プロセス」「人材の多様性活用」「変革へのリーダーシップ」は顔を見せませんでした。 ■
今回ご参加の企業は、化学、自動車関係、IT、電機、食品、製薬、鉄道など、正に異業種ですが、その違いを超えて「自立型集団への脱皮」が設定されたのはなぜ?
その理由を、参加者の1人は「指示待ち族のような組織には限界がある」
とズバリ、短刀直入に説明してくれました。事業環境が激変している時代に、上司の指示で動くような組織では変化対応できない、
というわけです。
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同じテーマを囲んで複数グループが討議の輪を組んだことで、取組み方策も今までに無いユニークなものとなりました。中でも注目したいのが「自立型集団に欠かせないのが永続性」としたことです。短期を全力疾走して途中で息切れする、のではなく、長距離ランナーのように持続走行できる自部署に体質変えするには?1泊2日にわたる研修プログラムの、ちょうど真ん中の時間帯で「自立型集団」づくりへの方策がうかびあがってきました。 その中で特筆すべきことは「失敗やリスクを実践教材とした人財育成」「多忙さを理由に影をひそめているインフォーマルな相互理解の場」「自立型集団そのものを学びとするマネジメント」。研修が終了して交流成果を参加者にうかがうと「当然と思っていた自社内思考をこわせたこと」「自部署の自立性に関して抱えていた課題に他社から有益なヒントをもらえた」とのことでした。