震災で変わった?若手社員の意識

このほど開かれた若手社員交流研修で関心をひく現象が見られました。よく言われることですが「震災を機に人とのつながりや絆を大切にするようになった」そのままに今回の研修でも「この人脈を大切にして長く交流を続けていきたい」という意識が討議やオフタイムで顔を覗かせました。

わずか2日間ではありましたが、お互いの懐に入るまでの人間関係を構築していった様子を見るにつけ頼もしく感じると共に、あらためてこのような「人とのつながり」の機会を若手社員が欲しているのでは、と思わせました。
震災そのものによる心理的変化はもとより、景況の停滞や自粛ムード、節電対応やそれに伴う業務負荷等々により多くの若手社員が閉塞感や将来への不安を抱えているとするならば、それらをどこかで吐露し自分なりにリセットする機会を設けることが必要です。また同世代の(他社)社員が、同じような悩みや課題を抱えていることを知ることで安心し、またその課題解決にむけて前向きに取り組む姿勢を知ることで刺激となり、翌日からの業務遂行のドライブとなるはずです。この研修にはそもそもこのような狙いがあったわけですが、震災をきっかけに「交流研修」という与えられた場を最大限に活用して人脈形成を図るとともに、各自が貪欲に良質な成果を持ち帰ろうとする姿勢が以前にも増して見られようになりました。

Facebookなど仮想空間に慣れ親しんだ20代の世代が、リアルで生々しい「人とのつながり」を求めていることは特筆に値します。ややもするとクールで必要以上に干渉されることを避ける、と見られがちな若手社員が、実は内省的・精神的支援を求めているとするならば、職場でのつながり、あるいは他部門とのつながり、さらには社外とのつながりを積極的に持てる機会を提供することで、彼らの動機付けとなり、個々のパフォーマンス向上に繋がるものと考えます。これから周囲を巻き込んでより大きな成果を出すことを期待される若手社員にとって、良い示唆を与えてくれる多くの人脈が彼らにとっての内的資源となるのです。これが今回の研修を通じて感じた、若手社員の「人脈形成」に対する意識・態度変容です。