35人に参加していただいた今回の交流研修は、さまざまな気づきがもたらされた2日間だったといえます。その1つは、自社の組織能力を他社とベンチマークした結果から得られた気づきでした。比較項目は「ありたい、の方向性共有」「イノベーション能力」「共創する能力」「成果獲得力」でした。これを研修の終盤に他社と比べてみました。
■参加はカーメーカー、IT、保険、金融関係、電機、交通、機械、不動産関係などで、いずれも業界を代表する企業とあって、全体的には大きな差異はないものの、自社の個別能力には厳しく指摘した参加者がめだちました。たとえば「事業環境に対する危機感が薄い。わが社はこのままで激動期に対応できるのだろうか」「イノベーション意欲が他社にくらべ弱い」と断じる言葉が聞かれました。
■
また今回は、もう1つ、特筆すべき研修成果が得られました。それは本質議論をすることの重要性でした。それが確認されたのは展開フェーズで「新しい価値の創造」や「新たな視点からの効率化」などを交流討議したセッションでの事象でした。たとえば通常「効率化」をテーマに据えると、とかく討議は短兵急に「目に見えるムダを無くそう」に走りがちになります。ところが、複数のグループが「新しい視点ってなんだろう」「非効率ってなんだろう」と本質に踏み込んだ本質追究に時間を当てました。
■
本質討議はやがて「意思決定のプロセスに問題があるのでは?」という課題意識をもたらしました。最終的には「意志決定プロセスをどう全員参加で刷新するか」として着地させました。グループメンバーからは「難しい課題だったが、奥の深い本質追求ができて良かった」との声が聞けました。ちなみに、これらのグループの全員が「5(非常に有意義な討議だった)」と高い評価点を示しました。