良好で互恵的な関係を築いたグループダイナミクス ~10月開催若手社員交流研修

2020年10月開催以来、丸2年ぶりの集合開催となった今回の「若手社員交流研修」でしたが、(当然ではありますが)改めて集合開催における会話のストローク数やそれに伴う相互理解の深度は、オンライン開催と比較して優位性があることを実感しました。初日の朝の研修開始前から自然と会話が始まりお互いにストローク交換をする様子はその後の自由闊達な交流を期待させましたが、研修中のコアタイムはもちろん、休憩時間や食事の時間、研修後の意見交換会(飲食の提供はできませんが)といった時間も有効に活用頂いて積極的に交流を図る様子が散見されました。良好で互恵的な関係を短期間に築くには、「近接性」は重要な要素の一つであると考えますが、集合開催による物理的な距離の近さはお互いの熱量や感情を五感で感じとる機会となりました。加えて、当研修では、今後のキャリアについての悩みや業務上の困りごとなどを分かち合う過程で、他者と自分との共通点を多く見出して頂きます。今回も自分に寄せられる期待役割と、自分自身の動機との隔たりに悩む参加者がその思いを吐露すると、同様の悩みを抱える他メンバーから励ましや支援のためのフィードバックがありました。それらの「類似性」もまた、心理的な距離を縮め良好な関係を築く要素になっていると考えます。更には、企画実習をはじめとしたグループ討議では、お互いの持ち前・特性を活かしながら、相互補完的な役割を各々が自然に果たしていくことで即興のグループから「チーム」へと昇華していきます。企画実習では、「普段は周囲から“自分の意見を主張しすぎる”との指摘を受けているので、今回の実習では傾聴を意識して行動してみた」といったコメントを寄せた受講者もおられましたが、この「相補性」もまた良好で互恵的な関係を築くために欠かせない要素です。このように今回の交流の様子を分析的にみると、類似性や相補性といった要素はオンラインでも享受できる領域ですが、そこに近接性が加わることで、更に相乗的に交流の質(幅や深さ)が高まると捉えることができそうです。改めて今回、この近接性×類似性×相補性の要素が揃ったグループダイナミクスが交流の質を高めたものと考える次第です。