現在の激しいビジネス環境変化、また人口減少や急速な少子高齢化など社会変化への対応として、ダイバシティ推進は企業戦略の重要課題として位置づけられています。今回、女性活躍推進に力を入れる企業様のご要望で、この中堅女性社員交流研修が実現の運びとなりました。
この研修では、業種も職種も異なる他社の女性社員との忌憚の無い意見交換・情報交換を通じて、自社内では得がたい視点移動や発想転換、これからの仕事のしかた・しくみの刷新あるいは自らの能力開発のヒントに寄与することを主眼としています。
受講者は、他社社員との交流研修は初めてという方がほとんどでしたが、積極的に他者と関りを持とうという意識が全体に見られ、大変熱心に集中して研修にお取り組み頂いた印象です。情報共有のフェーズでは、日頃見聞きすることが難しい他業界が置かれている現状や現場で抱える課題を、共感をもって受け入れ、且つ具体的なところまで踏み込んでやり取りする姿も見られました。こういった交流の場を楽しみながらも、この機会を逃さず得られる成果を一つでも多く持ち帰ろうとする、良い意味での貪欲さも感じられました。
テーマを自主設定し、中堅社員としての取組み方策を模索するフェーズでは、「自律型人材の育成」「新たなことに挑戦できる風土づくり」「部門間連携の実現」といったテーマを設定し、各社に共通する問題点を探り原因分析を行いながら解決方策を検討しました。このような討議スタイルに不慣れな様子も見られましたが、表出してきた問題点の原因を討議する過程で、まず現場の牽引役を担う中堅リーダーである自分達に、仕事の仕組みやしかたを変革していく役割が求められていることが理解(腹落ち)できているか、また当事者意識を持って仕事にあたっているかなど、内省しながら考察していた姿が印象的でした。現場の最前線で顧客に直接顧客に触れ、仕事経験も豊富に持つ中堅女性社員に対する期待や求められている役割を、他社メンバーとの議論を通じて実感していただけたものと感じます。
また、女性社員同士のネットワークを社外にも持つことは、今後の公私にわたる貴重なリソース(資源)となります。このような人的ネットワークの構築も当研修の副次的な目的としていますが、今回も今後につながるような積極的な交流を図って頂きました。