不確実性の中で問われるバックキャスティング思考

9社22名様にご参加頂き、中堅社員交流研修の10月開催を実施しました。

さてコロナ禍において各社を取り巻く事業環境も先を見通すことが難しくなっていますが、不確実性が高いからこそ、現状分析にこだわり過ぎず、ありたい未来やゴールイメージを予見し、そこからバックキャスティングして戦略を考えることも求められるわけですが、一方でこの「ありたい姿」を描き、課題設定する一連の思考力(課題創造力)が中堅リーダー層の強化点であるように感じています。

今回の討議においても、現状の不具合や既存の考え方、従来からのやり方、これまでの成功体験などを起点にその延長線上で議論する様子が散見されました。その結果、従来とは異なった考えや視点、革新的なアイデアの創出が阻害され、最終的なアウトプットも限定的な内容になり得ます。日々の業務が現状分析や過去の統計、実績等の分析などを積み重ね将来を描く連続的なプロセスで回っているが故に、そのようなアプローチになることはやむを得ないわけですが、この研修では、視座を上げ視野を拡げ未来を見据えて中堅リーダーとして何に取り組むべきか?を考えることでの視点移動を意図しています。

非連続な変化に対応していくために、取り組むテーマ(仕事)のスケールや質、状況に応じてバックキャストとフォアキャストを使い分けたり、相互補完的に活用することができれば、よりスピードと適応力を持った中堅リーダーとして質の高いリーダーシップの発揮とチームマネジメントが可能になると考える次第です。研修中の討議でもこの点を留意してファシリテートを行い、討議の方向性に修正を図りました。このように異業種交流という自社(自分)には無い、他社の視点や発想、課題解決へのアプローチなどを知るという本来の目的と合わせて、近い将来管理職として部門経営の一翼を担うことを期待されている中堅リーダーの課題創造力の強化という目的も当研修には包含されています。