新年は現場発イノベーション

扉をひらいた新しい年・・・ここでの決意は、多くの企業が「いまこそ変革エネルギーを」ではないでしょうか。こうした課題対応の一策として、当社では「他社に学んで、自社を変える」交流研修の機会をことしもプログラム刷新しながらご提供して参ります。よろしくお願いします。      

いま企業は業種業態を問うことなく、史上まれといわれる変化の激流に洗われています。言葉の響きに勇ましさを伴う「変革」ですが、いざ実行となると、その具体化にとまどうのが実態ではないでしょうか。そうした中で、中堅社員から「変革は現場から」と力強いメッセージが発せられましたので、ご報告します。あたかも熱意の松飾りが掲げられたような先月の交流研修には17社から中堅社員35人に参加していただきました。その当事者意識の高さに担当ファシリテーターも「傍観する姿勢が一人として見られなかった」と評価するほどで、外気の寒冷さをきっぱりと遮断する2日間の熱い交流プログラムが展開されました。
■特に中堅社員が現場目線でとらえた課題は、職場のそこここで生じている「変革のブレーキ」でした。ご参加していただいた企業は自動車、IT、電機、交通、保険、大学、金融、化学、不動産など他業種にわたりましたが、共通しているのは「仕事の分担制が強まり、問題意識の共有ができにくくなっている」「他の意見を聴き、自分の意見を述べる、という共創型のコミュニケーションがとりにくい」といった乾いた職場風土でした。情報化によって離れ小島が点在したり、1人ぽっち現象が広がって夢を語る場が消えている。こんな光景を述べあった35人は「中堅リーダーとして取組める変革とは」に討議を発展させました。
その結果、グループ発表されたのが、つぎのような変革方策でした。
◎課題や目標設定に「下書きプロセス」を導入してみてはどうか。完成図に持っていくには部下など関係者と話し込みを必ず行うをルールとする。これによって疎外感のない目標設定になる。◎仕事の効率化に、新たな意味を加えよう。職場からすっかり姿を消した「ムダ喋り」を生み出すための効率化を図ろう。自分から話しかけ、夢を語りあい、悩みに耳を傾けるようにしよう。そうしないと殺ばつとした職場風土になっていまう。              ◎「負」として排除されてきたことに実は意味があるのではないか。それを現場からの改革という目線で洗い直してみよう。たとえば「失敗から学ぶ」。どうすれば部下は安心して失敗できるか。そこから学べることは何か。仕事に精通している中堅社員こそ、こうした取組みへの実践者になるべきだ。