自社内では分かりにくいのが「わが社の組織風土」。これをくっきり浮彫りするのが、他社との交流研修といえます。当社の場合、研修のしめくくりとしてプログラムが織り込まれていますが、名づけて組織風土ベンチマーク。毎回、好評をいただいています。その理由は他社からの思わぬ指摘がもたらすサプライズ現象。短所を指摘されて「日ごろ、思っていた通りだ、やっぱり・・・」とうなだれる企業もあれば、反対に、思わぬ長所の発見に「うれしいサプライズ!さっそく皆に知らせてあげたい」と歓喜の声が湧くなど、悲喜(?)こもごもの光景が見られます。 ■ 「他社と比べる組織風土」が交流研修プログラムにとりこまれるようになったのは、今から約10年ほど前。交流相手企業の印象をカードに書いて交換する方法が確立してきました。今月、おこなわれた交流研修のひとこまをご紹介すると「貴社の組織風土の長所は”真面目”なこと」と評価された某社は、その理由として、飽くなき品質第一の追求、納期などの基本ルールの厳守、愛社心の旺盛さが指摘されていました。 ■
対照的に「なんでも自由に言える、明るい組織風土」を評価された企業もありました。発想が豊かで、リスクにも躊躇しない。挑戦的である、といった理由に、その企業からの参加者たちは「自社内では、当たり前と思っていただけに、いままで気づかなかった風土だ。大事にしたい」と破顔一笑でした。 ■ 興味深いのは、組織風土ならではの表裏一体。強みは慢心すると、弱みを招く懸念があり、また、短所は改めると長所に転じる。”あざなえる縄”のような教訓を教えてくれます。上記の例でいえば「真面目さ」は「硬い思考」に転下しかねません。「明るさ」は危機感の不足の証しかも・・・交流研修プログラムがもたらす学びの1つといえるでしょう。