今回の討議では「属人化」や「組織の壁」について改めて考える機会となりました。価値創造の源泉となるR&Dをはじめとした技術部門において属人化を一律に否定してよいものか?「誰にでも出来る仕事」は標準化しつつも、技術者である以上「自分にしかできない仕事」や「ユニークな技術」を磨き上げ、代替不可能な存在になることはむしろ奨励・推進すべきではないか?同様に「組織(チーム間)の壁」についても、壁があるからこその組織であり、外と内の境界を作る(=代替不可能な自分のチームにしかできない領域をつくる)ことがリーダーの役割のひとつであり、それはつまり「組織を属人化」することではないか?ということに考えを巡らせて熟考頂きました。それにより既存の仕組みや制度を無条件に否定していた他責の議論から、リーダーの行動や考え方を変えることで、メンバーの強みを活かすための環境を整えながら、個々の能力開発にも努めようとする自責の議論に軸足を移していきました。各グループがそれぞれ違うテーマに取り組みながらも、リーダーとしてメンバーの力を引き出すエンパワーメントに話が及んだことで価値ある議論になった印象です。