今回は社外との共創関係を築くべく「情報を根回しすることによって合意形成をねらう」をテーマに議論したグループに注目しました。「根回し」と聞くとややもするとネガティブな印象を受けますが、ここでは「情報が流れるクリーク(コミュニケーションルート)を増やすための一連のプロセス」という主旨を端的に「根回し」という単語で表現していました。「相互理解を育みお互いが歩み寄れる関係性を築くことで合意形成に至る状態」をありたい姿として議論を進めましたが、その素地として顧客情報の流れるルートを構築するプロセスを検討していきました。社外との共創関係を構築する上で欠かせない有益な情報が流れるコミュニケーションルートに、各ノード間の繋がりの強さ(密度)も検討の俎上に乗せながら、中堅リーダーとして顧客との信頼関係(=繋がり)を築きつつ、自組織とは遠く離れた知見(情報) をいかに獲得していくか?にスポットが当てられました。このようなインフォーマルな社内外の個人間のネットワークが、自組織に新たな知見をもたらす潤滑油として重要な役目を担うわけですが、単なる営業活動に留まらず、中堅リーダーが組織をも超えて縦横無尽にネットワーク間を行き来して、若いセンサーで変化を感じ取とろうとする活動(知の探索)は、かつてより顕著に見られるようになった印象があります。今回の研修でも新規事業開発や新しい研究テーマの発掘など探索的な業務に携わる受講者が複数おられましたが、最適化・標準化された強固でフォーマルな組織構造の中で、縦横無尽に動く柔軟で機動的なインフォーマルなネットワークが補完的に共存していることが持続的な組織運営の肝になるはずです。議論を通じて、ネットワーク間の「橋渡し」の機能を期待されているのが現場の最前線で活躍する中堅リーダーである自分たちであることに気づいて頂けたものと考えます。